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201407赤水渓谷

201407赤水渓谷

秋田の奥森吉に、赤水渓谷という何処までも歩いていかれる天国じみた真っ平らな渓谷があるのを知ったのは昨年の秋のことで、早速チャレンジしたのだが、往復だったために此の時は時間が足らず途中で引き返してきた。そのときの写真。

その先をずんずん行くと、田沢湖の奥、八幡平に近い玉川温泉に出ると云うことだった。古には湯治客がこの沢を歩いて行ったと云う。次回は是非、奥森吉から玉川温泉に抜けようと計画をして、ようやく実現の至りとなった。今回の写真はこちら。

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今回の行程。

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200m程度の高低差しかない。

前日の7/25は仙台の実家に泊まる。同行のたけしとFさんは翌日東京からだ。

7/26のこまち13号に乗って、角館で集合する。東北とはいえ非常に暑い日だ。
更に、低気圧が北海道を通過する見込みで、秋田も寒冷前線の通過で天気が崩れるという、沢歩きには若干不安な予報である。
ちなみに、この低気圧が通過した翌日、東北地方も梅雨明けとなった。

角館からは一両編成の秋田内陸縦貫鉄道に乗り、前回と同じく阿仁前田駅で降りる。

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沿線では田んぼアートをやっていた。

この晩泊まる森吉山荘の迎えの運転手が山や沢に遊ぶ人で、森吉山に沢沿いで上る連瀬沢の入り口や、いろいろなところを教えてくれて、明日の赤水渓谷も15年前に歩いたことがあるということで非常に羨ましがってくれた。期待が高まる。

森吉山荘は夏にも関わらず空いていた。JR東日本のキャンペーンのとき、年4回は非常に混むそうである。値段にしては料理も温泉も良かったし、阿仁前田からの送迎もあるので、お勧めの宿である。
この晩は何だかすることもなく、8時ごろには寝てしまったが、夜は浴衣でも蒸し暑かった。

翌7/27の朝起きると、幸いなことに懸念していた雨も降っていなかった。

7時50分に予約していた乗り合いタクシー、といっても自分たちだけだったが、迎えが来て、スタート地点の鳥獣センターに直行である。

鳥獣センターで仕度をして、8時半頃、遊歩道に入る。
去年は秋の紅葉シーズンだったが、今のブナの青葉も気持ちよい。秋は茸取りの地元の人が結構歩いていたが、今回は誰もいない。結局、玉川温泉に出るまで7時間、誰にも会わなかったのも驚きである。

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かえるがいたり。

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ブナの青葉が気持ちよい。

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赤水渓谷入り口に到着。

平らな遊歩道を歩いて、9時過ぎには赤水渓谷入り口に至る。ここで靴を履き替えたり、スパッツをしたり準備を整えて、更に10分ぐらい歩いて、トラロープの入渓ポイントから沢に入る。
心持ち、前回より水量が多く、泡だっているような気がするが、懸念してたほど増水はしていないようだ。

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水が少し赤っぽい。赤水とはこのこと?

夏だからか、スパッツをつけているからか、前回のように水の冷たさは感じない。二度目ということもあり、さくさく歩いていくうちに、しとしと小雨が降ってきた。ザックカバーやカッパを取り出す。本降りにならなければよいのだが。

膝下まで濡れる覚悟の装備なので、浅い流れの中をざぶざぶ歩けて気持ちがよい。東京は34度の猛暑だと思うと猶更である。

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ザックカバーなど装着。

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楽しい。

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兎滝分岐に到着。

小滝をいくつか越えて、10時半過ぎには兎滝分岐に到着した。

まずは右に折れて兎滝に向かう。更に平坦になり、歩いて行くうちに砂交じりで歩き難くなるが、45分ぐらい歩くと兎滝に到着する。兎滝には余程ぎりぎりまで近づける。右側にロープの跡があって、これを越えていく人もいるようだ。水量が多い所為か、どう兎に見立てるのか分からなかったが、一枚岩の斜面を滝という程のことも無いような薄い水の帯が流れ落ちてくる様は見ていて、手に触れて、心地よい。

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兎滝。

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兎滝。

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兎滝。

少し戻って、兎滝に向かって左手の小ぶりな滝の前で昼食にする。
森吉山荘で比内地鶏弁当を用意してもらったのだが、探検中の弁当に相応しいしっかりした味付けで美味しかった。

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手前の滝が休憩適地。

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森吉山荘の比内地鶏弁当。うまし。

12時半頃、分岐に戻り、今度はいよいよ玉川温泉方面に登っていく。少し勾配が急になって幅も狭くなる。小さい滝の傍をいくつも越えていくと、幅5mぐらい、高さ2mぐらいの滝が出現。ここは左手に鎖や足場がつけられており、よじ登るのだ。

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さらさら水は流れる。

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小滝の連続。

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ファイト一発的な滝。

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左側に足場がついているので安心。

急に探検めいてきた。さらに何箇所か足場を越えたりしているうちに、だんだん川幅は狭くなってきたが、それでもずっと一枚岩が続くのが不思議である。此の辺を歩いていると、今にも横の草叢から熊が顔を出しそうなマタギ的世界の中のような、或いは宮沢賢治的な東北の森の中のような、異世界的な森の濃さを実感できる。
途中、沢から上がったり、また降りたりを繰り返し、倒木を跨ぎ越えしているうちに、水路が途絶えた。13時半過ぎである。

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倒木を跨ぎこしたり

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柳沢林道への標識。まだ随分あるが。

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いろいろ堆積してますね。

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かなり細くなった。

そこから更に一登りすると、直ぐに赤水峠に到着した。
1/25000地図では兎滝分岐から暫くすると水路は終わっているが、実際には赤水峠の直下まで水路が続いていて、ずっと楽しめた。赤水峠は背の高いブナに囲まれた気持ちのいい場所で、ブナの幹には昔の湯治客の落書きが残っている。峠の看板はバラバラになっていた。

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赤水峠に到着。

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昔の落書き。

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いい雰囲気の場所だった。

ここから柳沢林道まで2km、林道に出てから6km歩いて国道341号に出る。
国道を渡って、向かいの橋も渡って右に折れると、今日の目的地の玉川温泉そよ風に到着である。15時半到着で、所要7時間だった。

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田沢湖町に入ったら、こんな看板が。そんな言わなくても。

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柳沢林道出会い。ここまで車を呼んでおくと早い。

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テクテク歩いて、玉川温泉に到着。

玉川温泉のお湯はPH1.5の強酸性で、道中にできた傷とアセモに非常にしみた。そもそもあまり長く入る湯ではないようだ。食事はバイキングで、まあこんなものか、といったところ。岩盤浴を初めて体験したが、サウナと一体化している岩盤浴で、汗だくになった。

翌28は、玉川温泉の送迎バスで田沢湖駅に出て、新幹線3時間で東京着。早い。

宿願の奥森吉→玉川温泉を果たせて、思っていたよりも後半の探検度が高く、非常に楽しかった。7時間、最初から最後まで、寂として人影も無く、静かな沢歩きだったのもポイントが高い。玉川温泉から八幡平も是非歩いてみたい。